コラム

救急隊員の仕事とは?どうすれば救急隊員になれるの?

救急隊員の仕事とは?どうすれば救急隊員になれるの?

救急隊員の仕事

救急隊員の仕事といえば、夏場に熱中症患者を救急搬送する件数が増加しているニュースや、最近では、患者本人がウイルス感染したことをわからないまま病院へ搬送するニュースもあり、社会に必要とされる医療インフラの一部かつ常に危険と隣り合わせの仕事といえます。  

 

救急隊員になるには消防士で採用?

救急隊員の採用試験というものはありません。救急隊員となるには、自治体の消防士採用試験に合格する必要があり、採用後、救急車に乗車して現場に向かい処置を行うことができる「救急救命士」の国家試験を取得する必要があります。このため、救急隊員は、消火・警戒活動を行う消防隊員の休暇などの関係で、消火活動に動員されることがあるなど消防署の中でスペシャリストとなっています。  

 

救急隊員が病院へ搬送できないケース

救急現場に到着しても病院に搬送できないケースもあります。 例えば、交通事故、列車事故などで頭部や頸部を損傷して明らかに通常生きていないと判断される状態の場合や、死後硬直などが起きている場合があります。その際は、警察官に業務を引き継ぎますが、医師が死亡の判断をしていないCPA(心肺停止状態)の場合は、蘇生措置を行いながら病院に搬送します。

 

 事件事故の現場に駆け付け、要救助者の状態を直ちに見極めることが必要で、搬送する場合は受入医療機関に連絡を行い、搬送を開始します。そのため救急隊員は、冷静な判断とスピード感が必要とされています。  

 

一度出動すると1時間は帰署できない

119番の入電から現場へ到着するレスポンスタイムは、総務省消防庁の2017年のデータによると全国平均8.6分で、全国一時間のかかる東京は、10.7分、一番早く到着する京都府は、6.9分と約4分の差があります。また、全国一の面積を誇る北海道でも7.8分であることから、東京では、人命救助に交通事情が悪影響を与えているといえます。  

 

救急車が到着して、医療機関へ搬送したあと、その場で次の出動ができる体制を整えたうえで、署にもどります。帰署の際には、サイレンと赤色灯は使いませんので、交通渋滞に巻き込まれることもあり1出動1時間はかかってしまいます。    

 

救急隊員も生身の人間だから

熱中症の時期など、帰署するまでに次の出動要請が来る場合があります。

これを連続出動といいます14時間連続で帰署できなかったという話もよく聞きます。

そんな時、これまで救急隊員は、トイレも水分補給もできませんでした。

一部の都市で「救急車で買い物に出ている」「救急隊員が自販機でジュースを買っている」というクレームがあったからです。

連続勤務の続く救急隊員も人間ですので水分補給などは当然必要です。

クレームは事情のわからない市民が声を上げたもので、不要なトラブルを回避するため救急隊員は、水分補給などをずっと自制してきました。

その事情を知ったコンビニ大手のセブンイレブンジャパンと広島市消防局は、画期的な仕組を導入しました。  

 

コンビニと救急隊の連携

連続出動で帰署できない救急隊員が、セブンイレブンに救急車で来店し、飲食物を購入することを「A-pit(エーピット)」と名付け、広くPRする動画を作成し、救急隊員の負担軽減への理解を呼びかける告知をしました。この動画の反響は大きく、公開1年で130万回再生され、最近ではクレームもなくなったと聞いています。  

 

リンク 救急隊がセブン‐イレブンを利用することがあります! ~『A-pit』の利用~

 

 

また、同じセブンイレブンジャパンと広島市消防局は、現場から疾病者を搬送する救急車と、病院から医師が乗車するドクターカーの合流地点としてコンビニ駐車場を使用できるようにするなど、多くの店舗を持つコンビニとの連携は、今後重要になっていきます。救急隊員の仕事をすると、わたしたち以上にコンビニの店舗位置をよくわかるようになります。